SYNOPSIS

git send-email [<options>] <file|directory>…
git send-email [<options>] <format-patch options>
git send-email --dump-aliases

DESCRIPTION

コマンドラインで指定されたパッチを取得し、電子メールで送信します。 パッチは、ファイルまたは、ディレクトリ(ディレクトリ内のすべてのファイルを送信します)または、リビジョンリストとして直接指定できます。 SYNOPSISの最後のケースでは、git-format-patch(1) によって受け入れられる任意のフォーマットと、git-format-patch(1) によって理解されるオプションを「git send-email」に渡すことができます。

電子メールのヘッダーは、コマンドラインオプションを使用して構成できます。 コマンドラインで指定されていない場合、ReadLine対応のインターフェイスでユーザーが必要な情報を提供するためのプロンプトが表示されます。

パッチファイルに使用できる形式は2つあります:

  1. mbox形式ファイル

    これは、 git-format-patch(1) が生成するものです。 ほとんどのヘッダーとMIMEフォーマットは無視されます。

  2. Greg Kroah-Hartman の send_lots_of_email.pl スクリプトで使用されたオリジナル形式

    この形式では、ファイルの1行目に「Cc:」値が含まれ、2行目としてメッセージの「Subject:」が含まれている必要があります。

OPTIONS

電子メール作成

--annotate

送信しようとしている各パッチを確認して編集します。 デフォルトは sendemail.annotate の値です。 `sendemail.multiEdit`の「CONFIGURATION」セクションを参照してください。

--bcc=<address>,...

メールごとに「Bcc:」の値を指定します。 デフォルトは sendemail.bcc の値です。

このオプションは複数回指定できます。

--cc=<address>,...

各電子メールの開始「Cc:」値(starting "Cc:" value)を指定します。 デフォルトは sendemail.cc の値です。

このオプションは複数回指定できます。

--compose

テキストエディタ(git-var(1)の GIT_EDITOR 参照)を呼び出して、パッチシリーズの紹介メッセージ(introductory message)を編集します。

--compose が使用されている場合、 git send-email は、メッセージで指定されているFromとSubjectとIn-Reply-Toヘッダーを使用します。 メッセージの本文(ヘッダーと空行の後に入力するもの)に空行(または Git: プレフィックス)のみが含まれている場合、要約は送信されませんが、FromとSubjectとIn-Reply-Toヘッダーは削除されない限り使用されます。

From ヘッダー または In-Reply-To ヘッダーが無い時はプロンプトが表示されます。

sendemail.multiEdit の「CONFIGURATION」セクションを参照してください。

--from=<address>

電子メールの送信者(sender)を指定します。 コマンドラインで指定されていない場合は、sendemail.from 構成オプションの値が使用されます。 コマンドラインオプションも sendemail.from も設定されていない場合、ユーザーは値の入力を求められます。 そのプロンプトのデフォルトは、 git var -l によって返される、GIT_AUTHOR_IDENTの値、または、GIT_AUTHOR_IDENTが設定されていない場合はGIT_COMMITTER_IDENTの値になります。

--reply-to=<address>

受信者からの返信先(reply)のアドレスを指定します。 メッセージへの応答(reply)が --from パラメーターで指定されたものとは別のアドレスに送信される必要がある場合は、これを使用します。

--in-reply-to=<identifier>

最初のメール(または --no-thread 指定の全てのメール)を、指定の Message-ID への応答(reply)として表示します。これにより、スレッドが壊れて新しいパッチシリーズが提供されるのを防ぎます。 2回目以降のメールは、 --[no-]chain-reply-to 設定に従って返信(reply)として送信されます。

そのため、例えば --thread--no-chain-reply-to を指定すると、以下のように [PATCH v2 0/3][PATCH 0/2] に対する返信になるように、2番目以降のパッチは最初のパッチへの返信になります:

[PATCH 0/2] Here is what I did...
  [PATCH 1/2] Clean up and tests
  [PATCH 2/2] Implementation
  [PATCH v2 0/3] Here is a reroll
    [PATCH v2 1/3] Clean up
    [PATCH v2 2/3] New tests
    [PATCH v2 3/3] Implementation

--compose も設定されている場合のみ必要です。 --compose が設定されていない場合は、プロンプトが表示されます。

--subject=<string>

メールスレッドの最初の件名を指定します。 --compose も設定されている場合にのみ必要です。 --compose が設定されていない場合、これはプロンプトが表示されます。

--to=<address>,...

生成された電子メールの主な受信者(primary recipient)を指定します。 通常、これは関連するプロジェクトの上流のメンテナになります。 デフォルトは、 sendemail.to 構成値の値です。 それが指定されておらず、 --to-cmd が指定されていない場合、プロンプトが表示されます。

このオプションは複数回指定できます。

--8bit-encoding=<encoding>

エンコードを宣言していない非ASCIIメッセージまたは件名に遭遇した場合は、 ヘッダー/引用符 を追加して、<encoding>でエンコードされていることを示します。 デフォルトは sendemail.assume8bitEncoding の値です。 それが指定されていない場合に非ASCIIファイルが検出された場合はプロンプトが表示されます。

注意:エンコーディングを検証する試みは一切行われないことに注意してください。

--compose-encoding=<encoding>

作成するッセージのエンコードを指定します。 デフォルトは sendemail.composeencoding の値です。 それが指定されていない場合は、UTF-8 を想定されます。

--transfer-encoding=(7bit|8bit|quoted-printable|base64|auto)

SMTP経由でメッセージを送信するために使用する転送エンコーディングを指定します。 非ASCIIメッセージに遭遇すると、 7bit は失敗します。 quoted-printable は、リポジトリにキャリッジリターンを含むファイルが含まれている場合に役立ちますが、生のパッチ電子メールファイル(MUAで保存されたもの)を手動で検査するのがとても難しくなります。 base64 はさらに確実ですが、さらに不透明です。 auto は、可能な場合は8ビットを使用し、それ以外の場合は quoted-printable を使用します。

デフォルトは、sendemail.transferEncoding 構成値です。 それが指定されていない場合、デフォルトは auto です。

--xmailer
--no-xmailer

X-Mailer: ヘッダーを追加(または追加を防止)します。 デフォルトでは追加されますが、 sendemail.xmailer 構成変数を false に設定することでオフにできます。

電子メール送信

--envelope-sender=<address>

メールの送信に使用するエンベロープ(envelope)の送信者を指定します。 これは、デフォルトのメールアドレスがメーリングリストに申し込まれているメールアドレスではない場合に役立ちます。 From アドレスを使用するには、値を auto 」に設定します。 sendmailバイナリを使用する場合は、 -f パラメータに適切な権限が必要です。 デフォルトは、 sendemail.envelopeSender 構成変数の値です。 それが指定されていない場合、エンベロープ送信者の選択はMTAに任されています。

--sendmail-cmd=<command>

電子メールを送信するために実行するコマンドを指定します。 コマンドはsendmailのようなものでなければなりません。 具体的には、 -i オプションをサポートする必要があります。 コマンドは、必要に応じてシェルで実行されます。 デフォルトは sendemail.sendmailcmd 構成の値です。 sendemail.sendmailcmd 構成の値が指定されていない場合、かつ、 --smtp-server も指定されていない場合、 git-send-email/usr/sbin/usr/lib と $PATH で sendmail を検索します。

--smtp-encryption=<encryption>

SMTP 接続の暗号化を開始する方法を指定します。有効な値は ssltls です。その他の値はプレーン(暗号化されていない) SMTP に戻り、デフォルトはポート 25 になります。 ssltls という名前に関係なく、どちらの値も同じ新しいバージョンの TLS を使用しますが、歴史的な理由からこれらの名前が付けられています。 ssl とは「暗黙的」暗号化 (しばしば SMTPS とも呼ばれる)を指し、デフォルトでポート 465 を使用します。 tls とは、デフォルトでポート 25 を使用する「明示的」暗号化(しばしば STARTTLS と呼ばれる)を指します。 SMTP サーバーでは他のポートが使用される場合がありますが、これはデフォルトではありません。一般的に TLS および暗号化されていない代替ポートは 587 です。プロバイダーのドキュメントまたはサーバー構成を確認して、自分の場合にに当てはまるかどうかを確認する必要があります。 デフォルトは sendemail.smtpEncryption の値です。

--smtp-domain=<FQDN>

SMTPサーバーへの HELO/EHLO コマンドで使用される完全修飾ドメイン名(FQDN)を指定します。 一部のサーバーでは、FQDNがIPアドレスと一致する必要があります。 設定されていない場合、 git send-email はFQDNを自動的に判別しようとします。 デフォルトは sendemail.smtpDomain の値です。

--smtp-auth=<mechanisms>

許可されたSMTP-AUTHメカニズムの空白で区切られた(Whitespace-separated)リスト。 この設定は、リストされたメカニズムのみを使用するように強制します。 例:

$ git send-email --smtp-auth="PLAIN LOGIN GSSAPI" ...

指定されたメカニズムの少なくとも1つがSMTPサーバによって宣伝(advertise)されたメカニズムと一致し、利用されるSASLライブラリによってサポートされている場合、そのメカニズムが認証に使用されます。 sendemail.smtpAuth--smtp-auth のどちらも指定されない場合、SASL ライブラリでサポートされているすべてのメカニズムが使用される可能性があります。 特別な値として none を指定すると、 --smtp-user と独立して認証を完全に無効にすることができます。

--smtp-pass[=<password>]

SMTP-AUTHのパスワード。 引数はオプションです。引数が指定されていない場合は、空の文字列がパスワードとして使用されます。 デフォルトは sendemail.smtpPass の値ですが、 --smtp-pass は常に sendemail.smtpPass の値を上書きします。

さらに、パスワードを構成ファイルまたはコマンドラインで指定する必要はありません。 ユーザー名が指定されている(--smtp-user または sendemail.smtpUser を使用)が、パスワードが指定されていない(--smtp-pass または sendemail.smtpPass を使用)場合、パスワード git-credential を使用して取得されます。

--no-smtp-auth

SMTP認証を無効にします。 --smtp-auth=none の省略形

--smtp-server=<host>

設定されている場合、使用する送信SMTPサーバを指定します(例: smtp.example.com または生のIPアドレス)。 これが未指定の場合で、かつ、 --sendmail-cmd も未指定の場合、デフォルトでは /usr/sbin/usr/lib と $PATH にある sendmail を探します。それが存在しなければ localhost にフォールバックされます。

下位互換性のために、このオプションでは、代わりにsendmailのようなプログラムの絶対パス名を指定することもできます。 プログラムは -i オプションをサポートする必要があります。 このメソッドは、引数の受け渡しや平文コマンド名の使用をサポートしていません。 これらの場合には、代わりに --sendmail-cmd の使用を検討してください。

--smtp-server-port=<port>

デフォルトのポートとは異なるポートを指定します(SMTPサーバーは通常smtpポート25をリッスンしますが、送信ポート587または共通のSSL smtpポート465もリッスンする場合があります)。 シンボリックポート名(たとえば、587ではなく "submission")も受け入れられます。 ポートは、 sendemail.smtpServerPort 構成変数を使用して設定することもできます。

--smtp-server-option=<option>

設定されている場合、使用する送信SMTPサーバーオプションを指定します。 デフォルト値は、 sendemail.smtpServerOption 構成オプションで指定できます。

--smtp-server-option オプションは、サーバーに渡すオプションごとに繰り返す必要があります。 同様に、構成ファイルではオプションごとに異なる行を使用する必要があります。

--smtp-ssl

--smtp-encryptionssl の、大昔からのエイリアス。

--smtp-ssl-cert-path

SMTP SSL/TLS 証明書検証用の信頼できるCA証明書のストアへのパス(c_rehash によって処理されたディレクトリ、または1つ以上のPEM形式の証明書が連結された単一のファイル: これらの詳細については、 verify(1) の -CAfile-CApath を参照してください)。 証明書の検証を無効にするには、空の文字列に設定します。 デフォルトは、設定されている場合は sendemail.smtpsslcertpath 構成変数の値、それ以外の場合はバッキングSSLライブラリのコンパイル済みデフォルト(ほとんどのプラットフォームで最良の選択)です。

--smtp-user=<user>

SMTP-AUTHのユーザー名。 デフォルトは sendemail.smtpUser の値です。 (--smtp-user または sendemail.smtpUser で)ユーザー名が指定されていない場合、認証は試行されません。

--smtp-debug=0|1

デバッグ出力を有効(1)または無効(0)にします。 有効にすると、SMTPコマンドとその応答が出力されます。 TLS接続と認証の問題をデバッグするのに役立ちます。

--batch-size=<num>

一部の電子メールサーバー(たとえば smtp.163.com)では、セッション(または接続)ごとに送信される電子メールの数が制限されているため、多くのメッセージを送信すると失敗します。 このオプションを使用すると、send-email は <num> メッセージの送信後に切断され、数秒待って(--relogin-delay 参照)、再接続して、このような制限を回避します。 これが発生するたびにパスワードを再入力する必要がないように、何らかの形式のクレデンシャルヘルパーを使用することをお勧めします。 デフォルトは sendemail.smtpBatchSize 構成変数です。

--relogin-delay=<int>

SMTPサーバーに再接続する前に <int> 秒待機します。 --batch-size オプションと一緒に使用します。 デフォルトは sendemail.smtpReloginDelay 構成変数です。

自動化

--no-[to|cc|bcc]

configで以前に設定した "To:" と "Cc:" と "Bcc:" アドレスのリストをすべてクリアします。

--no-identity

configで設定された sendemail.identity から読み取られた値があるならば、その値をクリアします。

--to-cmd=<command>

パッチファイルごとに1回実行するコマンドを指定し、パッチファイル固有の To: エントリーを生成するようにします。 このコマンドの出力は、1行に1つの電子メールアドレスでなければなりません。 デフォルトは、設定値 sendemail.tocmd の値です。

--cc-cmd=<command>

パッチファイルごとに1回実行するコマンドを指定し、パッチファイル固有の Cc: エントリを生成するようにします。 このコマンドの出力は、1行に1つの電子メールアドレスでなければなりません。 デフォルトは sendemail.ccCmd 設定値の値です。

--header-cmd=<command>

送信メッセージごとに 1 回実行されるコマンドを指定し、 送信メッセージに挿入される RFC 2822 スタイルのヘッダー行を出力します。 sendemail.headerCmd 構成変数が設定されている場合、その値が常に使用されます。 --header-cmd がコマンド・ラインで指定された場合、その値は sendemail.headerCmd 構成変数よりも優先されます。

--no-header-cmd

使用中のヘッダー・コマンドを無効にします。

--[no-]chain-reply-to

これが設定されている場合、各メールは前に送信されたメールへの返信として送信されます。 --no-chain-reply-to で無効にすると、最初の電子メール以降のすべての電子メールが、最初に送信された電子メールへの返信として送信されます。 これを使用する場合、最初のファイルはパッチシリーズ全体の概要であることが推奨されます。 デフォルトでは無効になっていますが、 sendemail.chainReplyTo 構成変数を使用して有効にすることができます。

--identity=<identity>

構成ID。 指定すると、 sendemail.<identity> サブセクションの値が sendemail セクションの値よりも優先されます。 デフォルトのIDは、 `sendemail.identity`の値です。

--[no-]signed-off-by-cc

これが設定されている場合は、 Signed-off-by トレーラーまたは Cc: 行にある電子メールアドレスをccリストに追加します。 デフォルトは sendemail.signedoffbycc 構成変数の値です。 sendemail.signedoffbycc 構成変数が指定されていない場合、デフォルトは --signed-off-by-cc です。

--[no-]cc-cover

これが設定されている場合、シリーズの最初のパッチ(通常はカバーレター)の Cc: ヘッダー達で見つかった電子メールアドレスが、各電子メールアドレスのセットのccリストに追加されます。 デフォルトは、 sendemail.cccover 構成の値です。 sendemail.cccover 構成が指定されていない場合、デフォルトは --no-cc-cover です。

--[no-]to-cover

これが設定されている場合、シリーズの最初のパッチ(通常はカバーレター)の To: ヘッダー達で見つかった電子メールアドレスが、各電子メールアドレスのセットのtoリストに追加されます。 デフォルトは、 sendemail.tocover 構成の値です。 sendemail.tocover 構成の値が指定されていない場合、デフォルトで --no-to-cover になります。

--suppress-cc=<category>

自動CC(auto-cc)を抑制するために、以下の追加受信者カテゴリを指定します:

  • author は、パッチの作者を含めないようにします。

  • self は送信者を含めないようにします。

  • cc は、 self を指定した場合を除き、Cc行で言及されている人をパッチヘッダーに含めないようにします(含めたいなら self を使用します)。

  • bodycc は、 self を指定した場合を除き、 パッチ本体(コミットメッセージ)にCc行で言及されている人を含めないようにします(含めたい場合は self を使います)。

  • sob は、 self を指定している場合を除き、 Signed-off-by に記載されている人を含めないようにします(含めたい場合は self を使用します)。

  • misc-by は、 Signed-off-by (sob を使用)を除いて、パッチ本体に Acked-byや、Reviewed-byや、Tested-byや、その他の -by 行で言及されているのを含めないようにします。

  • cccmd は、 --cc-cmd の実行を回避します。

  • bodysob + bodycc + misc-by と同じです。

  • all は、すべての自動cc値を抑制します。

デフォルトは sendemail.suppresscc 構成の値です。 sendemail.suppresscc 構成が指定されていない場合に、 --suppress-from が指定されている場合はデフォルトで self になり、 --no-signed-off-cc が指定されている場合は body になります。

--[no-]suppress-from

これが設定されている場合は、 From: アドレス を cc: リストに追加しないでください。 デフォルトは sendemail.suppressFrom 構成の値です。 sendemail.suppressFrom 構成が指定されていない場合、デフォルトは --no-suppress-from です。

--[no-]thread

これが設定されている場合、In-Reply-To と References ヘッダー達は送信される各メールアドレスに追加されます。 各メールが前のメールを参照するのか(git format-patch の文言に従った「深い」(deep)スレッディング)、最初のメールを参照するのか(「浅い」(shallow)スレッディング)については --[no-]chain-reply-to で制御されます。

--no-thread で無効にすると、それらのヘッダーは追加されません(--in-reply-to で指定されていない限り)。 デフォルトは、 sendemail.thread 構成の値です。 sendemail.thread 構成が指定されていない場合、デフォルトは --thread です。

git send-email が In-Reply-To ヘッダを追加するように要求したときに、すでにそのヘッダが存在しないことを確認するのはユーザー側です((特に git format-patch がスレッド化するように設定されている場合は注意が必要です)。 これを怠ると、受信者の MUA で期待通りの結果が得られないことがあります。

管理

--confirm=<mode>

送信する直前に確認(confirm)します:

  • always は送信前に常に確認します

  • never は送信する前に確認すること決してありません

  • cc は、send-emailがパッチからCcリストにアドレスを自動的に追加したときは、送信前に確認します

  • compose は、 --compose を使用した時に、最初のメッセージを送信する前に確認します。

  • autocc+ compose と同じです

デフォルトは sendemail.confirm 構成の値です。 sendemail.confirm 構成が指定されていない場合、抑制オプション(suppress options)のいずれかが指定されていない限り、デフォルトは auto になります。抑制オプションのいずれかが指定されている場合は、デフォルトで `compose`になります。

--dry-run

実際にメールを送信する以外はすべて行います。

--[no-]format-patch

引数が参照またはファイル名として理解される場合は、それをformat-patch引数(--format-patch)またはファイル名(--no-format-patch)として理解することを選択します。 デフォルトでは、このような競合が発生すると、 git send-email は失敗します。

--quiet

git-send-emailのおしゃべりを減らします。 電子メール1通につき1行出力するだけにします。

--[no-]validate

パッチの健全性チェックを実行します。 現状、検証(validation)とは以下のことを意味します:

  • sendemail-validate フックが存在する場合はそれを呼び出します(githooks(5) 参照)。

  • 適切な転送エンコーディング(auto または base64 または quoted-printable)が使用されていない時は、998文字より長い行を含むパッチについて警告します。 これは、 http://www.ietf.org/rfc/rfc5322.txt で説明されているSMTPの制限によるものです。

デフォルトは sendemail.validate の値です。 これが設定されていない場合、デフォルトは --validate になります。

--force

安全チェックで防止できる場合でも、電子メールを送信してください。

情報

--dump-aliases

通常の操作の代わりに、構成されたエイリアスファイルからアルファベット順に1行に1つずつ短縮エイリアス名をダンプします。 これにはエイリアス名のみが含まれ、拡張された電子メールアドレスは含まれないことに注意してください。 エイリアスの詳細については、 sendemail.aliasesfile を参照してください。

CONFIGURATION

このセクションの以下のすべては、 git-config(1) ドキュメントの抜粋です。 内容は git-config(1) ドキュメント にあるものと同一です:

sendemail.identity

構成ID。 指定すると、 sendemail.<identity> サブセクションの値が sendemail セクションの値よりも優先されます。 デフォルトのIDは、 `sendemail.identity`の値です。

sendemail.smtpEncryption

説明については、 git-send-email(1) を参照してください。 注意: この設定は identity メカニズムの対象ではないことに注意してください。

sendemail.smtpsslcertpath

ca-certificatesへのパス(ディレクトリまたは単一ファイルのどちらか)。 証明書の検証を無効にするには、空の文字列に設定します。

sendemail.<identity>.*

以下の sendemail.* パラメータのID固有のバージョン。コマンドラインまたは sendemail.identity のいずれかを使用して、このIDが選択された場合のパラメータよりも優先されます。

sendemail.multiEdit

true (デフォルト) の場合、編集する必要があるファイルを編集するために単一のエディター・インスタンスが生成されます(--annotate が使用されている場合はパッチ、 --compose が使用されている場合は要約)。 false の場合、ファイルは次々に編集され、そのたびに新しいエディター・インスタンスが生成されます。

sendemail.confirm

送信前に確認するかどうかのデフォルトを設定します。 always または never または cc または compose または auto のいずれかでなければなりません。 これらの値の意味については、 git-send-email(1) ドキュメントの --confirm を参照してください。

sendemail.aliasesFile

長い電子メール・アドレスのタイピングを回避するには、1 つまたは複数の電子メール・エイリアス・ファイルを指定します。 sendemail.aliasFileType も指定する必要があります。

sendemail.aliasFileType

sendemail.aliasesFile で指定されたファイルの形式。 mutt, mailrc, pine, elm, gnus, sendmail のいずれかでなければなりません。

各形式のエイリアス・ファイルがどのようなものかは、同名の電子メール・プログラムのドキュメントに記載されています。 標準フォーマットとの相違点と制限事項は以下のとおりです:

sendmail
  • 引用エイリアス(quoted aliases)と引用アドレス(quoted addresses)はサポートされていません。 " 記号を含む行は無視されます。

  • ファイル(/path/name)またはパイプ(|command)へのリダイレクトはサポートされていません。

  • ファイル・インクルード(:include: /path/name)はサポートされていません。

  • 明示的にサポートされていない構造(constructs)、およびパーサーによって認識されないその他の行については、警告が標準エラー出力に出力されます。

sendemail.annotate
sendemail.bcc
sendemail.cc
sendemail.ccCmd
sendemail.chainReplyTo
sendemail.envelopeSender
sendemail.from
sendemail.headerCmd
sendemail.signedoffbycc
sendemail.smtpPass
sendemail.suppresscc
sendemail.suppressFrom
sendemail.to
sendemail.tocmd
sendemail.smtpDomain
sendemail.smtpServer
sendemail.smtpServerPort
sendemail.smtpServerOption
sendemail.smtpUser
sendemail.thread
sendemail.transferEncoding
sendemail.validate
sendemail.xmailer

これらの構成変数はすべて、git-send-email(1) コマンドライン・オプションのデフォルトを提供します。 詳細については、そのドキュメントを参照してください。

sendemail.signedoffcc (非推奨)

sendemail.signedoffbycc の非推奨のエイリアス。

sendemail.smtpBatchSize

接続ごとに送信されるメッセージの数。その後、再ログインが発生します。 値が0または未定義の場合、すべてのメッセージを1つの接続で送信します。 git-send-email(1)--batch-size オプションも参照してください。

sendemail.smtpReloginDelay

SMTPサーバーに再接続する前に指定の秒数待機します。 git-send-email(1)--relogin-delay オプションも参照してください。

sendemail.forbidSendmailVariables

一般的な設定ミスを回避するために、 git-send-email(1) は、 sendmail の設定オプションが存在する場合、警告とともに中止します。 チェックをバイパスするには、この変数を設定します。

EXAMPLES

Use gmail as the smtp server

git send-email を使用してGMail SMTPサーバーを介してパッチを送信するには、 ~/.gitconfig を編集してあなたのアカウント設定を指定します:

[sendemail]
        smtpEncryption = tls
        smtpServer = smtp.gmail.com
        smtpUser = yourname@gmail.com
        smtpServerPort = 587

Gmailアカウントで多要素認証を設定している場合は、 git send-email で使用するアプリ固有のパスワード(アプリ パスワード)を生成する事ができます。 https://security.google.com/settings/security/apppasswords にアクセスして作成します。

あなたのコミットをメーリングリストに送信する準備ができたら、以下のコマンドを実行します:

$ git format-patch --cover-letter -M origin/master -o outgoing/
$ edit outgoing/0000-*
$ git send-email outgoing/*

初めて実行すると、資格情報の入力を求められます。 必要に応じて、アプリ固有のパスワードまたは通常のパスワードを入力します。 クレデンシャルヘルパーを構成している場合(git-credential(1) 参照)、パスワードはクレデンシャルストアに保存されるため、次回入力する必要はありません。

注意: Perlのディストリビューションとともにインストールできる次のコアPerlモジュールが必要です: MIME::Base64MIME::QuotedPrintNet::DomainNet::SMTP 。 また、次の追加のPerlモジュールも必要です: Authen::SASLMail::Address

SEE ALSO

GIT

Part of the git(1) suite