SYNOPSIS

git multi-pack-index [--object-dir=<dir>] [--[no-]bitmap] <sub-command>

DESCRIPTION

マルチ・パック・インデックス(MIDX;multi-pack-index)ファイルの書き出し・検証を行う。

OPTIONS

--object-dir=<dir>

Gitオブジェクトの場所として、指定されたディレクトリを使用します。 現在のMIDXファイルについては <dir>/packs/multi-pack-index をチェックし、インデックスを作成するパックファイルについては <dir>/packs をチェックします。

<dir> は、現在のリポジトリの代替(alternate)である必要があります。

--[no-]progress

進行状況を明示的にオン/オフにします。どちらも指定されていない場合、標準エラーが端末に接続されていれば進行状況が表示されます。 サブコマンド write と verify と expire と repack がサポートされています。

以下のサブコマンドを使用できます:

write

新しいMIDXファイルを書き込みます。 write サブコマンドでは、以下のオプションを使用できます:

--preferred-pack=<pack>

オプションで、複数のパックに同じオブジェクトが含まれている場合に使用されるタイブレークパッキング(tie-breaking pack)を指定します。 <pack> には少なくとも1つのオブジェクトが含まれている必要があります。与えられていない場合、mtimeが最も低いパックを優先して採用(ties are broken)します。

--[no-]bitmap

マルチパックビットマップ(multi-pack bitmap)を書き込むかどうかを制御します。

--stdin-packs

stdin 経由で提供される行区切りのパック・インデックスのベース名のセットのみを含む マルチパック・インデックスを作成します。

--refs-snapshot=<path>

--bitmap を使用して、必要に応じて、再パックの前に作成された 「refs スナップショット」を含むファイルを指定します。

参照スナップショットは、参照先端(reference tips)に対応する行区切りの OID で構成され、通常は新しいパックを生成する前に git repack によって取得されます。 オプションで + 文字で始まる行は、 その OID に対応する参照が「優先」(preferred)であることを示すことができます(git-config(1) の pack.preferBitmapTips を参照してください)。

<path> で指定されたファイルは読み取り可能であることが期待されており、重複を含んでいる可能性があります。 (特定の OID が複数回指定されている場合、少なくとも 1 つのインスタンスが特別な + マーカーで始まる場合、優先としてマークされます)。

--incremental

既存のMIDXレイヤーに存在しないオブジェクトとパックのみを含む増分MIDXファイル(incremental MIDX file)を書き込みます。 必要に応じて、 非増分のMIDX達を増分のMIDXに移行します。 --bitmap とは互換性がありません。

verify

MIDXファイルの内容を検証(verify)します。

expire

MIDXファイルによって追跡されているが、MIDXによって参照されているオブジェクトがないパックファイルを削除します(.keep パックと cruft パックを除く)。その後、MIDXファイルを書き直して、これらのパックファイルへのすべての参照を削除します。

Note
 このモードは、増分MIDXファイル(incremental MIDX files)と互換性がありません。
repack

マルチパックインデックス(multi-pack-index)によって参照される小さなパックファイル(pack-files)にオブジェクトを含む新しいパックファイルを作成します。 --batch-size=<size> 引数で指定されたサイズがゼロの場合、マルチパックインデックスによって参照されるすべてのオブジェクトを含むパックを作成します。ゼロ以外のバッチサイズの場合は、パックを古いものから新しいものへと調べてパックファイルを選択します。マルチパックインデックスによって参照されるパック内のオブジェクトの数をカウントすることにより、「予想サイズ」を計算します。次に、予想サイズをパック内のオブジェクトの総数で割り、パックサイズを掛けます。パックのセットが少なくともバッチサイズの合計予想サイズになるまで、またはすべてのパックファイルが考慮されるまで、予想サイズがバッチサイズよりも小さいパックを選択します。パックファイルが1つだけ選択されている場合は、何もしません。 新しいパックファイルが作成された場合は、マルチパックインデックスを書き直して(rewrite)、新しいパックファイルを参照します。後で git multi-pack-index expire を実行すると、このバッチの一部であったパックファイルが削除されます。

repack.packKeptObjects が false の場合、 .keep ファイルが関連付けられているパックファイルはバッチで再パックするために選択されません。

Note
 このモードは、増分MIDXファイル(incremental MIDX files)と互換性がありません。

EXAMPLES

  • 現在の .git ディレクトリにパックファイル達のMIDXファイルを書き込みます。 

    $ git multi-pack-index write

  • 対応するビットマップを使用して、現在の .git ディレクトリ内のパックファイル達のMIDXファイルを書き込みます。 

    $ git multi-pack-index write --preferred-pack=<pack> --bitmap

  • 代替オブジェクトストア(alternate object store)にパックファイルのMIDXファイルを書き込みます。 

    $ git multi-pack-index --object-dir <alt> write

  • 現在の .git ディレクトリ内のパックファイル達のMIDXファイルを検証(verify)します。 

    $ git multi-pack-index verify

SEE ALSO

マルチパックインデックス機能の詳細については、 The Multi-Pack-Index Design Document と gitformat-pack(5) を参照してください。

GIT

Part of the git(1) suite